『エアライン解説』飛行機オタクが実際に働いてみた。

コックピットに乗ってみたかったので、実際に就職したオタクの物語。

エアラインの魔法が解けた。「家で十分じゃない?!」

https://lanvo.thebase.in/ 

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新型コロナウイルスの影響で数々のエアラインが倒産しました。

国内では徐々に国内線が復便していますが、これからのエアラインどうなってしまうのでしょうか。

 

RPKの推移

2020年7月1日 IATAは国際的なRPKの推移を発表しました。

RPK(旅客キロ=Revenue Passenger-Kilometar)

各有償旅客が搭乗し、飛行した距離の合計。
有償旅客数×輸送距離(キロ)。

 

IATAの発表によると5月にはコロナの影響で下り坂となっていた航空需要が底値を過ぎて需要が復活しつつあるとのデータを示しました。

赤線:世界経済の景況感=世界の人が景気に対して好転していると感じる

青線:世界の有償旅客数

世界経済が大きく好転したと感じるとともに有償旅客数もやや上昇しているということが分かります。

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じゃあ需要は好調に回復する?

"With air traffic not expected to recover to pre-COVID levels before 2023 and potentially as late as 2025,

Airbusはこのコロナの影響による需要回復は2023年までは以前の需要には戻らないと予想しています。これについては様々な要因があるでしょう。

とは言え、3年かかるとの予想では順調に回復するとは言い難いでしょう。

IATAも同様に国内線は2022年、国際線は2024年の需要回復と見込んでいるためかなり堅調に回復していくという見込みです。

航空需要に関しては多角的に捉えていく必要がありますが、そもそも産業の一つとして国・地域の経済状況が大きく関わってきます。

それを踏まえた上で自論を述べたいと思います。

 

 

空と地上の戦いが始まった。

以前から新幹線VS飛行機!!などがありましたが、今回お伝えしたいのはそうではありません。

これからの時代は家VS飛行機になると考えています。

つまり家の中でできるアクティビティ=ゲームや動画といった楽しみが本格的にエアラインの敵になりつつあると考えています。

コロナにより自宅待機当初、「早く家からでたい」という声が聞こえてきましたが、一方で「家で十分楽しめる」「家が楽」と感じた方も多いのではないのでしょうか。

そもそもエアラインの価値とはなんだったのでしょうか。

「遠いところに早くいける」

「飛行機に乗るという特別感」

消費者視点になると大きくこの2つが占めます。

その価値がこのコロナによる強制的な自宅待機によって、一度消費者の手から離れてしまいました。そしてその期間人々は何に手を出したのか。

任天堂Switch」や「Netflix」などの分野です。

それによって需要の層に変化が起こったと考えています。

 

コロナ以前

■飛行機を使う人

1:マイルをためるために飛行機に乗る人

2:旅行が好きな人

3:ビジネスマン

4:飛行機に乗る特別感を味わいたい人

 

コロナ後

■飛行機を使う人

1:マイルをためるために飛行機に乗る人

2:旅行が本当に好きな人

3:ビジネスマン

フィルター:この時期に旅行をするという周囲からの印象

 

ざっくりとですが、SNSの浸透により少なからず「映え」を気にした航空利用は存在していたと思います。

ですが、自宅でも十分に時間を潰せて楽しめるという考えが浸透したことで、この時期にわざわざ周囲に悪い印象を与えてまで飛行機に乗る気にはならず、家でゆっくりしよう。という風に消費者心理は動いたのではないかと予想します。

また日本人の特性上、周囲の印象は非常に大切なファクターなのでこれも大きく航空需要を低迷させるでしょう。

 

 

エアラインの魔法が解けた

とどのつまり、「あれ?飛行機で移動しなくても家で十分じゃない」と人々が気づいてしまった。と思っています。

例えばどうでしょう?「せっかくの旅行だしLCC安いから飛行機で行っちゃわない?!」とか「半年に一回は祖父祖母の家に帰っていたけど、ビデオ通話でも・・・。」などなど、当然そういった需要に応えるためのサービスはすぐに展開されていきますから、そういう考えを如何に払拭させて飛行機を利用してもらうのかがエアラインには求められるため、家VS飛行機の構図に成り代わっていくと考えています。

 

これまでエアラインは、時間の有効性と非日常感を押し出すことで人々の生活に必要とされてきました。

需要回復の予想が年単位となってしまった今、旅客数低減による影響で年々経営難で倒産していくエアラインは増えていきます。

そうした中で生き残っていくためには、それでも必要とされる存在にならなければなりません。そのためには新しいエアラインの価値を創り上げる必要があると予想します。

それがどんな形になるかはわかりませんが、VRによる疑似体験も進化していく中、飛行機を使うことの本質を見つけなければいけません。

 

- Enhanced Passenger experience including
the Passenger Travel Experience: services to provide
passenger experience primarily linked to the airport
but can also include ticketing for example.
Whereas Passenger In-Flight Experience are services
needed to maximise the passengers flight experience
including the need for cabin upgrades, cabin crew
training, etc. -Airbus NEW GLOBAL SERVICES FORCAST