[飛行機のマスク着用義務]賛成派も反対派もまずは読んでくれ。
※法律の専門家ではない著者が独自に調べて解釈した内容であり必ずしも正解ではありません。
- 刑法と民法を理解してる?
- 運送約款は基本的に民法である。
- マスク着用は民法上義務とすることができる。
- 具体例を見てみる
- 身体的ハンデを持つ方が軒並み逮捕される。
- じゃあなんで今マスク着用義務じゃないの?
- 結論:お互いが寄り添いあった安全で快適な空の旅を
飛行機のマスク着用問題について、義務である、義務じゃない、法的根拠がない。などなど、知識を有していないままの意見が見受けられます。
元旅客担当としてこのことを運送約款や航空法に基づいて独自の解釈を説明します。
マスク着用賛成派反対派に関わらず一度見ていただければと思います。
刑法と民法を理解してる?
まず根本としてここを履き違えている人が多い。
そもそも刑法は
"犯罪に関する総則規定および個別の犯罪の成立要件やこれに対する刑罰を定めた日本の法律。"
であって、違反に対して刑事的処罰が発生する、いわゆる違法行為です。
一方で民法は
"日本における、私法の一般法について定めた法律。"
であって、違反に対して訴えられることで損害賠償ならびに判決による刑事的処罰が発生する違法行為です。
つまりどういうことかというと。
コンビニでおにぎりを買いました。
そこで店員とトラブルになりました。
この時、店員を殴ってしまった場合=刑法
殴ってはいないが、店員に暴言を吐いて訴えられた=民法
おおまかにこういった理解で十分だと思います。
大切なのは、刑法は犯罪であること、一方で民法が裁判所の判決によって犯罪と認められること。
ということです。
では、運送約款とは刑法・民法のどちらになるのでしょうか。
運送約款は基本的に民法である。
そもそも運送約款とは、運送契約をまとめたものになります。
従って、「契約」である運送約款は
民法632条「請負」
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
を基礎としている法律になります。
ただし、航空に関しては別途「航空法」というものが含まれており、このうち
安全阻害行為等の禁止等を定めた73条の3と73条の4
については旅客にも適応される条文とされています。
つまり、航空における運送約款には、基本的には民法ですが、航空法適用範囲においては刑法の対象となります。
ここまでを簡単にまとめるとこのような体系になります。
次に本題です。
マスク着用は義務にできるの?できないの?どっちなの?
マスク着用は民法上義務とすることができる。
ここが大切な点です。
刑法・民法の違いを説明しました。世間のニュースでは義務にできるできない。が曖昧ですが、ここにおいて「義務」というのは二つの視点でみられるべきです。つまり
1.刑法上の「義務」
2.民法上の「義務」
この視点です。
具体例を見てみる
例えば、東京から沖縄に行きたいので飛行機に乗るとします。
そこであなたは、飛行機に乗るために航空会社と運送約款に則った契約を結びます
(運送約款に同意しますか?みたいなのありますよね)
その代償としてあなたはお金を払い、航空会社は飛行機を飛ばします。
ここで、「飛行機に乗る上でマスクを着用してください」 という条件が追加されるとします。
この条件は刑法・民法どちらに該当するのでしょうか。
正解は、民法です。
なぜなら、「マスクを着用してください。」という条件は航空会社からお客さんに対して行われているものであって、航空会社とあなたは法律上、運送約款でしか結ばれていません。ということは、「マスク着用をしてください」というのは民法上の取り扱いでしかないのです。
そこで民法上の義務という考えが出てきます。
「義務」とは「従うべきとされること」という意味ですから、「民法上の義務」はすなわち、民法に従うべきこと。という意味になります。
つまり、この時要求される「マスク着用という民法上の義務」においてあなたは従うべきという理解ができるのです。
ではその民法=運送約款にはどのように記述されているのか。
この個所を細かくして見ましょう。
運送約款には「法令、又は官公署の「要求」に従うために必要な場合、運送の拒否を行うことができる。」
と書いてあります。
官公署とは
”国、地方公共団体およびその他の公の団体の諸機関の総称”
を意味しますから、国からの「感染拡大防止のためマスクを着用してください。」という「要求」に従うために、運送の拒否を行うことができる。となっているのです。
従って、
あなたは運送約款に従うべき立場にある。
運送約款には、マスク着用という国の要求に従うために運送を拒否できる。
つまり、マスク着用を義務として要求することができる。
これが、マスク着用を民法上義務とすることができる理由です。
え?なんか難しいし、複雑なんだけど・・・・???
きっとそういう感想を持つと思います。
では、なぜ一律刑法上の義務とできないのか。
復習ですが、刑法は犯罪であること、一方で民法が裁判所の判決によって犯罪と認められること。という違いがあります。
もし刑法上の義務としてしまった場合
何が起こるのでしょうか?
答えは簡単です。リアルマスク警察が誕生します。
つまり、刑法上、マスク着用義務とした場合、
マスク未着用ならびに着用拒否が「犯罪」となってしまうため、逮捕、罰金が発生します。
これが何を意味するのでしょうか。
身体的ハンデを持つ方が軒並み逮捕される。
ご存知の通り、つらい持病を抱えマスクが着用できない方たちが多くいます。
そういった方々は持病の関係でマスクができないわけですが、刑法上の義務としてしまった場合、
持病で付けられないにも関わらず、マスクを着けていないことが「犯罪」ですから逮捕せざるを得ないわけです。
刑法上の義務とできない理由がお分かり頂けたでしょうか?
従って、民法上の取り扱いとすることしかできないのです。
じゃあなんで今マスク着用義務じゃないの?
ここまでの説明で航空会社は「マスク着用義務」とできることが分かりました。
しかし、今、世の中のエアラインはあえて「お願い」という表現をしています。
これはなぜか。
民法は訴えられることで刑事的処罰が発生します。
一日当たり数千人が利用する航空では一日に数千人と運送契約を結んでいますが、厳しく義務とした場合、
マスクを着用しないお客さん一人ひとりに訴訟を起こす必要があります。そうでなければ民法上の義務が成り立たなくなります。
もう想像できると思いますが、民間運営の航空会社にとって、それは極めて無理な対応と言えます。
はき違えてはいけない。
ですからはき違えてはいけないのが、航空会社としては民法上の義務において、マスク未着用を訴えることはできます。
マスク未着用による便の遅延損害、その影響による風評被害など影響は考えればいくらでも出てきます。
ただし、それは双方にとってよい結果を生みません。
だから、厳しく義務とせず「お願い」という形にしているのであって、良い気になって好き放題にしていいという訳ではなく、あくまで航空会社が総合的に判断して訴えを起こしていないだけ、の話です。
航空会社の訴訟は50万円だの500万円だのそんな軽いものでは済みません。
下はAIRDOが機内にて「爆弾を所持している」と発言した旅客に対する損害賠償請求ですが、最終的に1200万円の和解金となっています。個人に対してこの金額の支払い命令は個人の人生を大きく変えてしまう可能性があります。
こんな訴訟が毎日毎日行われている状況など、それこそ残酷な世界だと思いませんか?
結論:お互いが寄り添いあった安全で快適な空の旅を
飛行機という乗り物は物理的にも法律的にも非常に特殊な公共交通手段です。
このコロナの影響下では航空会社にとっても、お客さんにとっても特別な対応が求められます。
私は決してマスク着用を義務とすべきという立場ではありません。それこそ身体的に特別な配慮が求められる方にはしっかりとした対応がされるべきです。
一方で、配慮が必要な方が一方的に権利を主張するような状況は間違っていると思います。非常にセンシティブな問題であると思いますが、それでも、飛行機を利用する場合にはお互いが寄り添っていかなければいけないということを双方が認識するべきです。
冒頭にも述べましたが、私は法律家ではありませんので、間違っている可能性もあると思います。
ですが、お伝えしたいのは何よりも「安全第一」ということ
JL123便の事故がその悲惨さを伝えているように航空機の墜落や死傷事故は決して起きてはいけません。
そのためには乗客と航空会社が安全のために協力しあって、不安全に取り除いていかなくてはいけない。
そのことを何よりもお伝えしたい。
コロナという誰もが予想しえなかった、このパンデミックだからこそ、
より一層「安全」に注力し、そのために必要な処置は断固として実施していく。その理解が国民全体にされていくことが、これからも航空会社が生き残るために必要だと思います。
エアラインの魔法が解けた。「家で十分じゃない?!」
新型コロナウイルスの影響で数々のエアラインが倒産しました。
国内では徐々に国内線が復便していますが、これからのエアラインどうなってしまうのでしょうか。
RPKの推移
2020年7月1日 IATAは国際的なRPKの推移を発表しました。
RPK(旅客キロ=Revenue Passenger-Kilometar)
各有償旅客が搭乗し、飛行した距離の合計。
有償旅客数×輸送距離(キロ)。
IATAの発表によると5月にはコロナの影響で下り坂となっていた航空需要が底値を過ぎて需要が復活しつつあるとのデータを示しました。
赤線:世界経済の景況感=世界の人が景気に対して好転していると感じる
青線:世界の有償旅客数
世界経済が大きく好転したと感じるとともに有償旅客数もやや上昇しているということが分かります。
じゃあ需要は好調に回復する?
"With air traffic not expected to recover to pre-COVID levels before 2023 and potentially as late as 2025,
Airbusはこのコロナの影響による需要回復は2023年までは以前の需要には戻らないと予想しています。これについては様々な要因があるでしょう。
とは言え、3年かかるとの予想では順調に回復するとは言い難いでしょう。
IATAも同様に国内線は2022年、国際線は2024年の需要回復と見込んでいるためかなり堅調に回復していくという見込みです。
航空需要に関しては多角的に捉えていく必要がありますが、そもそも産業の一つとして国・地域の経済状況が大きく関わってきます。
それを踏まえた上で自論を述べたいと思います。
空と地上の戦いが始まった。
以前から新幹線VS飛行機!!などがありましたが、今回お伝えしたいのはそうではありません。
これからの時代は家VS飛行機になると考えています。
つまり家の中でできるアクティビティ=ゲームや動画といった楽しみが本格的にエアラインの敵になりつつあると考えています。
コロナにより自宅待機当初、「早く家からでたい」という声が聞こえてきましたが、一方で「家で十分楽しめる」「家が楽」と感じた方も多いのではないのでしょうか。
そもそもエアラインの価値とはなんだったのでしょうか。
「遠いところに早くいける」
「飛行機に乗るという特別感」
消費者視点になると大きくこの2つが占めます。
その価値がこのコロナによる強制的な自宅待機によって、一度消費者の手から離れてしまいました。そしてその期間人々は何に手を出したのか。
それによって需要の層に変化が起こったと考えています。
コロナ以前
■飛行機を使う人
1:マイルをためるために飛行機に乗る人
2:旅行が好きな人
3:ビジネスマン
4:飛行機に乗る特別感を味わいたい人
コロナ後
■飛行機を使う人
1:マイルをためるために飛行機に乗る人
2:旅行が本当に好きな人
3:ビジネスマン
フィルター:この時期に旅行をするという周囲からの印象
ざっくりとですが、SNSの浸透により少なからず「映え」を気にした航空利用は存在していたと思います。
ですが、自宅でも十分に時間を潰せて楽しめるという考えが浸透したことで、この時期にわざわざ周囲に悪い印象を与えてまで飛行機に乗る気にはならず、家でゆっくりしよう。という風に消費者心理は動いたのではないかと予想します。
また日本人の特性上、周囲の印象は非常に大切なファクターなのでこれも大きく航空需要を低迷させるでしょう。
エアラインの魔法が解けた
とどのつまり、「あれ?飛行機で移動しなくても家で十分じゃない」と人々が気づいてしまった。と思っています。
例えばどうでしょう?「せっかくの旅行だしLCC安いから飛行機で行っちゃわない?!」とか「半年に一回は祖父祖母の家に帰っていたけど、ビデオ通話でも・・・。」などなど、当然そういった需要に応えるためのサービスはすぐに展開されていきますから、そういう考えを如何に払拭させて飛行機を利用してもらうのかがエアラインには求められるため、家VS飛行機の構図に成り代わっていくと考えています。
これまでエアラインは、時間の有効性と非日常感を押し出すことで人々の生活に必要とされてきました。
需要回復の予想が年単位となってしまった今、旅客数低減による影響で年々経営難で倒産していくエアラインは増えていきます。
そうした中で生き残っていくためには、それでも必要とされる存在にならなければなりません。そのためには新しいエアラインの価値を創り上げる必要があると予想します。
それがどんな形になるかはわかりませんが、VRによる疑似体験も進化していく中、飛行機を使うことの本質を見つけなければいけません。
- Enhanced Passenger experience including
the Passenger Travel Experience: services to provide
passenger experience primarily linked to the airport
but can also include ticketing for example.
Whereas Passenger In-Flight Experience are services
needed to maximise the passengers flight experience
including the need for cabin upgrades, cabin crew
training, etc. -Airbus NEW GLOBAL SERVICES FORCAST
これからの飛行機の乗り方の話をしよう。コロナ対策。
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各社が運航を再開していく一方で、これから旅行をする上でどんなことに注意をすればいいのでしょうか。
先日デルタ航空が今後のフライトの方針を打ち出しました。これからはこれが基準になっていくと思われますので、一つの参考になればと思います。
手荷物の確認をしましょう!
危険物や持ち込み制限品に変更はありません!
ただし、コロナウイルスの対策のためアルコール・エタノールなどの揮発性の液体などを持ち歩いている方もいると思います。
代表例としては手ピカジェル・除菌シートなどがあります。
要注意なのは、1人あたりの部分で、
①化粧品類、②医薬品・医薬部外品および③スプレー缶の合計数量であること。
です。
つまりどういうことかというと、例えばいつもの旅行で・・・
1.コンタクトの洗浄液
2.香水
3.制汗剤
4.ヘアスプレー
を持ち歩いていたとします。
ここでコロナ対策で消毒用液も追加した時、制限量を超えてしまったらルール上は持ち込みができなくなってしまいます。
せっかく準備したものを破棄しなくてはいけなくなりますので、十分注意しましょう!
マスクまたはフェイスカバーの着用をしましょう!
すでに一般的になりつつありますが、マスクの着用は必須です。エアラインによりけりですが、外資系では搭乗を断るとまで発表しているところもありますが、一方でデルタの場合はケアキットを配布するとのことです。LCCなどでは拒否+マスクを有料で・・・。なんてところもあるようですから、マスクは必ず持参するようにしましょう!
オンラインチェックインの活用!
LCCなどでは導入されていないケースもありますが、オンラインチェックインを活用しましょう!各エアラインのアプリをダウンロードすれば大抵利用することができます。
そのままQRコードでピッして搭乗!できるスマートな仕組みですね。
活用している方も多いんじゃないでしょうか??
とはいえ、以前搭乗した際には未だに搭乗券を利用されている方が見かけましたので、これを機にオンラインチェックインへの切り替えをお勧めします。
そうすることで他人が触ったであろうもの(チェックイン機など)への接触機会を減らすことができるので、感染拡大や自身の身を守るのに有効な手段です。
搭乗前の最新情報を確認!
WHOは再度危険な段階に入ったと発表した通り、以前状況は刻々と変化しています。
この状況変化は落ち着いたとしても変わらないでしょう。またコロナが徐々に広まり始めた時のように急遽入国できなくなってしまったり、数々の制限がかかるかもしれません。
情報が発信されていれば、確認していないのは自己責任。これが今の常識です。搭乗前に一度は航空会社のホームページを確認しましょう。また当日も運航状況に関するメールが来ていないかしっかりと確認をすることで、嫌な気持ちにならずに済みます!
国際線に乗るときはもっと情報を集めましょう!
日本人のパスポートは本当に便利です。国際的にみれば国外旅行にはVisaやEntry Permitなどなど自国と他国の入国条件を把握しているのは当然ですが、日本人はそんなのお構いなしに数日くらいであれば海外旅行ができてしまいます。
※2週間以上の渡航には日本人でも必要なケースがあるので、だんだん海外旅行になれてきて長期滞在しようと思っている人は気を付けてくださいね
今の時期国際線に乗る方はそれくらい常識・・!な人が多いかと思いますが、そんなに経験がない方は是非とも一度「外務省の海外安全ページ」を確認するようにしてください!トラブルは自分で回避です!
※2020年6月27日現在の渡航制限
以上、アフターコロナに向けて大切になるであろう飛行機利用の際の注意点や対策をまとめました。
飛行機が感染拡大の元となってしまうことは悲しいことですので、これからもしっかりと知識をつけて、楽しいフライトとしていきたいですね!
熱が出たら飛行機には乗れない?!厳に慎むってなに?どうすればいいの?
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コロナウイルスの影響で空港では今はこんなアナウンスが流れています。
「国土交通省から航空機をご利用のお客様へのお知らせです。保安検査上前ではサーモグラフィーによる体温検査を行なっています〜〜発熱があるお客様は、航空機のご利用を厳に慎むようお願いいたします。」
ふと厳に慎むってなんやねん?!と思ったので調べてみました。法律云々は専門外なので齟齬があるかも知れませんが、各社エアラインの報道から基本的な対処方法についてお伝えします!!
厳に慎むには法的拘束力はない!
国土交通省が言ってるからもし熱がある状態で飛行機に乗ったら法律的に罰せられるのでは…とイメージしがちですが、法的拘束力はないので安心してください。
言葉の意味としては、禁を犯さないように厳しい態度をもって臨むこと、間違っても事を起こさないように厳重に行動を控えることなどを意味する表現
という意味であり、つまり自分で控えてくださいね。ということです。
基礎知識レベルで申し訳ないんですが、日本は三権分立(行政、司法、立法)ですので、行政である国土交通省が司法の立場になることができないので、お願いを破ったからといってはい!罪です!というルールを作ることはできません。
じゃあ、発熱でも飛行機乗れるじゃん!?って思ってしまうかも知れないのですが、残念ながら皆さんは法律に基づいた契約をしてしまっています…
航空会社との契約!
それは運送約款です!
航空券を買うときに☑️運送約款に同意しますか?のようなものを押してるかと思います。
そもそも運送約款は、日本国憲法に基づいて定められた旅客と航空会社の契約そのもので、国土交通大臣からの承認を得たものになります。
つまり日本の法律に則った同意書ということになります。
さて、ここには色々なものが書いてありますが、かなりに航空会社に権力がある内容であること知ってますか??
旅客の行為、年令又は精神的若しくは身体的状態が次のいずれかに該当する場合
会社の特別な取扱いを必要とする場合
重傷病者又は8歳未満の小児で付添人のない場合
次に掲げるものを携帯する場合
- 武器(職務上携帯するものを除きます。)、火薬、爆発物、他に腐蝕を及ぼすような物品、引火しやすい物品、航空機、旅客又は搭載物に迷惑若しくは危険を与える物品、又は航空機による運送に不適当な物品若しくは動物
他の旅客に不快感を与え又は迷惑を及ぼすおそれのある場合
当該旅客自身若しくは他の人又は航空機若しくは物品に危害を及ぼすおそれのある行為を行う場合
会社係員の業務の遂行を妨げ、又はその指示に従わない場合
会社の許可なく、機内で、携帯電話機、携帯ラジオ、電子ゲーム等電子機器を使用する場合
機内で喫煙する場合
JAL-国内線運送約款から一部抜粋・編集
などなど、え?よもや一方的…なくらいなんです。
人によっては当たり前じゃない?って思う方もいると思いますし、一方で結構曖昧じゃない?と感じる方もいると思います。
とはいえ、なんか気に食わないから乗せないなんてことは明らかに不当になるのであり得ないのですが、ここで本題の「じゃあ熱があったら飛行機乗れないの?」って話になります。
発熱は搭乗拒否の理由になります
皆さんが同意している以上、運送約款の内容には必ず従わなければなりません。
つまり発熱があってエアラインの人から降りてくださいと言われたら降りなくてはならないのです。
「いやいや、逆に熱があったら乗れないなんて書いてないじゃん?!?!」
と思った方。
逆の逆に「書いてないけど乗せないことがあります。」という契約に先に同意してしまってるんですよ…
重ね重ねになりますが、明らかに不当な理由で拒否はしません。やっぱり空の旅を楽しんで欲しいし、基本的に乗って欲しいと思っているからです。
ですが、コロナウイルスの世界的状況で各社お知らせを出している通り「発熱がある場合には搭乗をお断りすることがあります。」とお知らせされていますので、コロナウイルスを踏まえた約款の補足説明という考えがベターだと思います。
高いお金出したのに乗れないなんて!
ここからは対処方法ですが、もし今発熱してしまったらどうするか?という話です。
2つあります。
1.搭乗日前
利用する航空会社のwebサイトを見てみましょう。返金手続きができます。以前は診断書が求められたりもしましたが、今はほとんど対象期間内のフライトならば返金可能かと思います。
あるいはカスタマーセンターに連絡ですね。
2.搭乗当日
どうしても行かなければいけない理由も分かりますが、落ち着いて考えてください。もしそこで集団感染を引き起こしてしまったら、きっと隔離されるのすらまだマシかも知れません。今の世の中SNSで個人情報を拡散されてしまったり、ましてや死者がでた場合個人訴訟もあるかもしれません。
まずは立ち止まって地上係員に相談しましょう。当日であれば返金受付期間内のため返金をしてくれるはずです。予定は潰れてしまいますが、自分や周りの命を守ることができます。
とまぁ長々と書きましたが、熱が出たら乗れませんし、冒頭にも書いたとおり検温も実施されていますので、決して無理はしないで下さいね。バレなきゃいいって考えは次に飛行機に乗る人のためにやめてくださいね!
それでは、また空でお会いできるのを楽しみにしています!
Peach vs ジェットスター国内LCC競争を制するのは?!Vol3
※当記事は素人の私見です。ご了承ください。
オリジナルエアライングッズを作りたい!!https://lanvo.thebase.in/
前回は旅客数の比較からPeachとジェットスターが国内LCC競争において大切にすべきでは?!と思う点を解説しました。
今回は、売り上げや収益から両社を比較していきます!
Peachは赤字、ジェットスターは黒字
売り上げはPeachとジェットスターで大差はありませんが、営業利益そして、最終の純利益ではPeachは赤字、ジェットスターは黒字となっています。
ここで簡単に説明しておくと、
売り上げ:儲かった金額すべて
営業利益:売り上げから人件費や広告費などの営業に必要な費用を引いた金額
経常利益:営業利益から返済やその利息などを引いた金額
純利益:経常利益から法人税などの諸経費を引いた金額
まぁざっくりと、会社にかかる費用を色々分けて計算していって、最後に残った純利益が会社のお金なんだなぁでいいと思います。
なので、-1億9000万円のPeachは赤字、9億1000万円のジェットスターは黒字というわけです。
LCCってどうやって儲かってるの?!
よく言われるのは、
1.座席を狭く人を多く乗せて、さらにいっぱい飛ばすこと
2.機内サービスなどあらゆるものが有料
この二つくらいがぱっと出てくるかと思います。
少し専門的に説明をすると、機材稼働率を如何にあげるかということです。
飛行機にはありとあらゆる費用が掛かります。
皆さんが飛行機をよく見るのは空港にいる姿かと思いますが、それにも車と同様、駐機料がかかります。さらに離陸するのも着陸するのも空を飛ぶのも・・・。
しかしお客さんが乗っていない状態の飛行機はお金が稼げないので、とどのつまり飛行機は飛ばさないと儲からないのです。
ですから、どれだけ多く飛行機を飛ばすか、機材稼働率を上げるかが重要なファクターとなっています。
ある話では、飛行機のリース費用一日当たり100万円するそうです。
また80%のL/Fのフライト一回でようやく1日のリース料を賄えるか賄えないかという収益なので、それならばどんどん飛ばして儲けるしかないよね・・・。というのがLCCの儲け方です。
Peachって儲かってるんじゃなかったの?
冒頭ではPeachは赤字だと説明しましたが、「Peach 成長」と調べるとよいニュースばかりが目に入ります。しかし実情は赤字・・・。いったいどういうことなのでしょうか。
実は去年まではPeachが超儲かっていた!!
のです。
2017年の純利益ではジェットスターが5億円の純利益に対して、Peachの純利益は
なんと50億円です。
約10倍の利益の差がありました。
2018年Peachどうしたってことなんですが、詳しい仕組みは下の記事からイメージをつかんでもらえればと思うのですが、要はPeachはVanilaとの統合で飛行機がとてつもなく増えるのです。その改修費用に加えて、さらに新機材を、その数、約12機近く導入します。A320が1機あたり100億円なので、1年間で1200億円分の調達を行うわけですが、2年分売り上げを1年で借りようというのですから当然赤字にもなりますよね。
「え?無謀じゃない?」
と思うかもしれませんが、2019年の決算が出てからしっかり言及すべきとは思うものの、-1億9000万円で抑えられているのはかなり決算的に優秀なのでは?と思うわけです。さらに記事にある通りオペレーションリーシングの考え方を導入すると、ここ1~2年は厳しいですが、耐えしのいだ後は爆発的に収益の増加が起こり、純利益100億円=A320を1機ずつ毎年変える経済力を築けちゃうんじゃない・・?
とか勝手に予想しています。
じゃあPeachが圧倒的に有利??
というわけでもありません。ジェットスターはアジア・オセアニアに渡るLCC大手になりますので、資金力はPeachよりもありますし、LCCとしてのノウハウや後ろ盾(カンタス航空・日本航空)も大きいです。
私たち個人が銀行からお金を借りるときには、収入や担保を必要としますが、その担保が大きければ大きいほど、借り入れられる金額も多くなります。
資金調達は会社にとって極めて重要ですので、しっかりとしたバックグラウンドを持っていることは大きな強みです。
ちなみに今後のジェットスターの機材展開は次の通り
2023年までに35機体制とします。また機種としてはA321neoや航続距離を伸ばした321LRを選定し、機材稼働率を維持しつつ、旅客数を増やしていくようです。
一方で今後のPeachの機材展開は次の通り
www.aviationwire.jp2016年の記事なので少し古いです
2020年までに35機体制としますので、ジェットスターより3年早いペースで機材を増やしていくようです。しかし機材についてはジェットスター同様です。A320neoや321LRといった機材を導入し、新規路線を開拓していくようです。
このように機材数は違うものの、基本的な方針は似通っています。
では、中距離路線進出の両社はこのまま堅調な成長を遂げていくのでしょうか??
それについては次回に続きます。
今すぐ旅に出るならこちら!!
Peach vs ジェットスター国内LCC競争を制するのは?!Vol2
※当記事は素人の私見です。ご了承ください。
前回はPeachとジェットスターどちらが結果を残していけるのか?!を考える上で、そもそもの大前提を解説しました!
その大前提を元に国内LCCとしてはどうなのかというところで、今回は旅客数を比較していきます。
旅客数の違い
年間旅客数:わずかにジェットスターの勝利
累積搭乗者数:引き分け
L/F:わずかにPeachの勝利
※L/F=Load Factor(有償座席利用率)
総座席数に対して有償座席(特典航空券などのを除いたもの)の搭乗割合を示したもの。ざっくり言えばどれだけお客さんに使ってもらっているかということ。
事実上、ほぼほぼ引き分けの状態です。
ここから分かることはLCCという業態が堅調に浸透していっているということです。
Peachの初飛行は2012年3月1日、ジェットスターの初飛行は2012年7月3日と、初飛行が近いです。同じ時期に飛行を開始したPeachとジェットスターがこのように同じ実績を残しています。
Peachとジェットスターを合わせると、2018年時点で年間1100万人近い人がLCCを利用していることになりますので、差が生まれていない今、どちらが優勢なのかというよりかは、
1.LCCがまだ成長期にあるということ
2.両社に決定的な差がない
というのが理由なのかなと考えています。
1.についてどの業界でもそうだと思うのですが、成長期にあるときは決定的な差って生じにくいと思います。供給に対して需要が多い状態にあるので、どちらのサービスがどうということなく成長は続いていきます。そしてなにより
2の両社に決定的な差がないということで、これコメント頂きたいんですが・・・
LCCとしてPeachとジェットスターの違いは??
個人的に思いつく範囲は・・・桃とジェッ太・・・?
厳しくというか、企業としてのブランドイメージやまた利用したと思う顧客体験が浅いように感じています。
どうしてもエアラインは公共交通機関の面もあり、また行先での経験が優先してしまうため、お客さんと接することができるフライト時間にブランドイメージを定着させることは難しいところがあります。そのため、やはりLCCとしての特徴である安さが先行していることが、両社の決定的な差が埋めきれていない理由なのではと考えています。
顧客体験をどのように形成していくか
逆に言えば、これからのPeachとジェットスターが国内LCC競争を制するために大切なのは、
LCCという業界が完熟期を迎えたときに、どこまでファンを獲得できているか
と考えています。
現状の旅客数は冒頭で述べた通り、ほぼ同じ結果となっていました。
しかしながら、だからこその国内LCC競争の今後に非常に大切なファクターが見えたような気がしています。
次回は最後に、売り上げや収益について触れていきますので、ぜひ見てください!
今すぐ旅に出るならこちら!!
Peach vs ジェットスター国内LCC競争を制するのは?!
※当記事は素人の私見です。ご了承ください。
オリジナルエアライングッズを作りたい!!https://lanvo.thebase.in/
2019年11月1日にVanilla Airとの統合が完了したPeachは、国内規模としては国内第3位のエアラインへと成長しました。では、これからアジア需要がますます増加していく中で、MMとジェットスターどちらが結果を残していけるLCCなのでしょうか?!慎重に分析していきたいと思います。
結論:ジェットスターの圧勝??
2018年度決算発表や2020年1月現在に掲載されているWEBの内容とニュースを元になるべく最新になるようにデータを集めました(なかなかまとまったデータは乗ってない・・・)
結局のところ会社になるため重要なのは、
いくら儲かってるのか?
になるかと思います。
これはジェットスターの圧勝なのでは??と思われますが、いくつかに分類をして説明していきます。
なぜなら
そう簡単な事情ではないからだ!!
就航路線について
国内線:ジェットスターの勝利
国際線:Peachの勝利
就航便数:Peachの勝利
時刻表やプレスリリースから両社には次のような傾向があるようでした。
ジェットスター: 国内線を重視しており、路線数は少ないものの、路線ごとの便数が多い。
Peach: 国内・国際のバランスをとっており、路線数が多いものの、路線ごとの便数が少ない。
補足:
路線数が少ないものの便数が多い状態とは
NRT-KIX 1日5便
路線数が多く便数が少ない状態とは
NRT-KIX 1日2便
NRT-CTS 1日3便
要は同じところをいっぱい飛ばしているか、いろんなところに少しずつ飛ばしているか!
これにはちゃんとした背景がありますが、ジェットスターは同じ路線で1日5便もあるフライトもありますが、Peachは多くても2~3便といったケースが多いです。
実際ジェットスターよりもPeachは日本中の空港に拠点を設けており、そこから色々なところに飛ばしているようです。
なぜこうした違いが生まれるのでしょうか。
外資系と日系の違い
MMは外資系のイメージというのを見かけることがありますが、立派な日系LCCというのが個人的な見解です。
むしろGKの方がまさに外資系!と思っています。
事実その通りで、気にかけていない方には驚かれますが、
ジェットスターはオーストラリアの航空会社です。
豪カンタス航空の完全出資子会社のジェットスター航空を筆頭に、ジェットスター・アジア/パシフィック/ジャパンと合計で4つの統一ブランドのエアラインが存在しており、オセアニアから日本までをカバーしている、アジアでも大手LCCとなっております。
一方でPeachは、ANAHDを母体としており、そもそも2012年以前よりブームだったFSCによる顧客の囲い込みの一環としての自社LCC保有が元となっています。(これについてはまたの機会)
つまり表題で国内LCCという表現を行ったのは、Peachはアジア規模に視点をかえると
ジェットスターには到底適わないのです
B787:11機 A320:103機 A321:8機 合計:122機
就航路線と外資の関係性
話を戻して、特徴的なのはジェットスターが国際線7路線のみと非常に少ないところ。
これはとどのつまり、ジェットスター・ジャパンが保有しているのが7路線という意味であって、ジェットスター・アジアのKIX-SIG路線など別会社がすでに日本の乗り入れの国際線を運航しています。
大方、ジェットスター・ジャパンは、別会社の日本国際線拠点、成田、関空に乗り入れるための、移動手段としてのエアラインというグループ戦略で間違いないと思っています。そのため国内線が多く、また1路線あたりの便数も多いんでしょう。
これを踏まえて国内LCCだけに焦点を当てていく
企画倒れ感は否めないですが、ここをはっきりさせておかないと、色々と説明がつかないことがでてきてしまうので、ジェットスター・ジャパンとPeachという対比で次回以降解説していきます。
次回は旅客数について触れていきますので、ぜひ見てください!