『エアライン解説』飛行機オタクが実際に働いてみた。

コックピットに乗ってみたかったので、実際に就職したオタクの物語。

Peach vs ジェットスター国内LCC競争を制するのは?!Vol3

※当記事は素人の私見です。ご了承ください。

 

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前回は旅客数の比較からPeachジェットスターが国内LCC競争において大切にすべきでは?!と思う点を解説しました。

今回は、売り上げや収益から両社を比較していきます!

 

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Peachは赤字、ジェットスターは黒字

売り上げはPeachジェットスターで大差はありませんが、営業利益そして、最終の純利益ではPeachは赤字、ジェットスターは黒字となっています。

ここで簡単に説明しておくと、

売り上げ:儲かった金額すべて

営業利益:売り上げから人件費や広告費などの営業に必要な費用を引いた金額

経常利益:営業利益から返済やその利息などを引いた金額

純利益:経常利益から法人税などの諸経費を引いた金額

 

まぁざっくりと、会社にかかる費用を色々分けて計算していって、最後に残った純利益が会社のお金なんだなぁでいいと思います。

 

なので、-1億9000万円のPeachは赤字、9億1000万円のジェットスターは黒字というわけです。

 

LCCってどうやって儲かってるの?!

よく言われるのは、

1.座席を狭く人を多く乗せて、さらにいっぱい飛ばすこと

2.機内サービスなどあらゆるものが有料

 

この二つくらいがぱっと出てくるかと思います。

少し専門的に説明をすると、機材稼働率を如何にあげるかということです。

飛行機にはありとあらゆる費用が掛かります。

皆さんが飛行機をよく見るのは空港にいる姿かと思いますが、それにも車と同様、駐機料がかかります。さらに離陸するのも着陸するのも空を飛ぶのも・・・。

しかしお客さんが乗っていない状態の飛行機はお金が稼げないので、とどのつまり飛行機は飛ばさないと儲からないのです。

ですから、どれだけ多く飛行機を飛ばすか、機材稼働率を上げるかが重要なファクターとなっています。

ある話では、飛行機のリース費用一日当たり100万円するそうです。

また80%のL/Fのフライト一回でようやく1日のリース料を賄えるか賄えないかという収益なので、それならばどんどん飛ばして儲けるしかないよね・・・。というのがLCCの儲け方です。

 

Peachって儲かってるんじゃなかったの?

冒頭ではPeachは赤字だと説明しましたが、「Peach 成長」と調べるとよいニュースばかりが目に入ります。しかし実情は赤字・・・。いったいどういうことなのでしょうか。

 

 

実は去年まではPeachが超儲かっていた!!

のです。

 

2017年の純利益ではジェットスター5億円の純利益に対して、Peachの純利益は

なんと50億円です。

約10倍の利益の差がありました。

2018年Peachどうしたってことなんですが、詳しい仕組みは下の記事からイメージをつかんでもらえればと思うのですが、要はPeachはVanilaとの統合で飛行機がとてつもなく増えるのです。その改修費用に加えて、さらに新機材を、その数、約12機近く導入します。A320が1機あたり100億円なので、1年間で1200億円分の調達を行うわけですが、2年分売り上げを1年で借りようというのですから当然赤字にもなりますよね。

 

airline-sogo.hatenablog.com

 

「え?無謀じゃない?」

 

と思うかもしれませんが、2019年の決算が出てからしっかり言及すべきとは思うものの、-1億9000万円で抑えられているのはかなり決算的に優秀なのでは?と思うわけです。さらに記事にある通りオペレーションリーシングの考え方を導入すると、ここ1~2年は厳しいですが、耐えしのいだ後は爆発的に収益の増加が起こり、純利益100億円A320を1機ずつ毎年変える経済力を築けちゃうんじゃない・・?

とか勝手に予想しています。

 

じゃあPeachが圧倒的に有利??

というわけでもありません。ジェットスターはアジア・オセアニアに渡るLCC大手になりますので、資金力はPeachよりもありますし、LCCとしてのノウハウや後ろ盾(カンタス航空日本航空)も大きいです。

私たち個人が銀行からお金を借りるときには、収入や担保を必要としますが、その担保が大きければ大きいほど、借り入れられる金額も多くなります。

資金調達は会社にとって極めて重要ですので、しっかりとしたバックグラウンドを持っていることは大きな強みです。

 

ちなみに今後のジェットスターの機材展開は次の通り

www.aviationwire.jp

2023年までに35機体制とします。また機種としてはA321neoや航続距離を伸ばした321LRを選定し、機材稼働率を維持しつつ、旅客数を増やしていくようです。

 

一方で今後のPeachの機材展開は次の通り

www.aviationwire.jp2016年の記事なので少し古いです

2020年までに35機体制としますので、ジェットスターより3年早いペースで機材を増やしていくようです。しかし機材についてはジェットスター同様です。A320neoや321LRといった機材を導入し、新規路線を開拓していくようです。

 

このように機材数は違うものの、基本的な方針は似通っています。

では、中距離路線進出の両社はこのまま堅調な成長を遂げていくのでしょうか??

それについては次回に続きます。

 

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