なぜクレベリン!?飛行機に乗せれない理由を調べてみた。
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コロナウイルスの感染拡大から急に話題となったクレベリンの機内・受託持ち込み禁止について、なぜクレベリンがダメなのか調べてみました。
クレベリンとは??
- 二酸化塩素はウイルス・細菌を除去し、カビの生育を抑制し、トイレや生ゴミ等の不快な臭いを消臭します。
- 二酸化塩素は除菌・消臭成分としての働きがあり、わが国においては小麦粉漂白処理剤の食品添加物及び、浄水(水道水など)処理用として使用が認められています。
- 二酸化塩素は次亜塩素酸ナトリウムに比べ、きわめてトリハロメタンを発生しにくい特徴を持っています。
空気中の除去作用があることから、コロナウイルスが拡大している今、空気感染対策として脚光を浴びています。
しかしながら、
除菌剤の飛行機への持ち込み・お預けについて-春秋航空日本公式サイト
というようにクレベリンという名指しで禁止が告知されています。
いったい何がいけないのでしょうか。
『二酸化塩素』が 航空法上の『搭載禁止物質』に指定されている
クレベリンが除去作用を発揮するのに使用されている「二酸化塩素」が航空機搭載禁止品に該当しているとのことです。これについては大幸製薬から注意喚起が出ていました。
[搭載禁止物質]とは何ぞやというと
こいつあぶねぇからルール作ろうぜ
世の中には色々な物質があります。空気中には酸素・二酸化炭素・窒素。漂白剤には塩素などなど。こういった物質にどういう特性があるのかということをGHS「The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemical=化学品の分類および表示に関する世界調和システム」という2003年に国連で採択されたもので分類を行っています。
要は、色々あるけど何がどうあぶねぇのかわからんから、ルールつくるべ。というもの。
そういった国際的に決められたルールから、さらにICAO/IATAが「あれ?これって飛行機にはあぶなくね??」というものを特筆して、DGM(Dangerous Goods Manual=危険物マニュアル)に取りまとめています。
例えば、リチウムバッテリー。スマホなどに使用されています。
スマホをポケットに入れていたら燃えてもすぐ気が付けますが、もし車におきっぱなしだったら気が付かずに車燃えちゃいますよね?
航空輸送においてリチウムバッテリーは機内持ち込みOK、受託手荷物禁止。になっています。上空にいる飛行機の貨物室で燃えてしまったら何もできません。(貨物室に消火設備あるけど使いたくないよね+ULD搭載ではもう無理)
下記は国交省が定時しているラベルの種類。これらを段ボールに貼ったりすることで中身がどういった物質なのか見分けるようにしています。
リチウムバッテリーは条件として機内であれば良いということになっていますが、例えば物質によっては、飛行機に乗っけること自体がダメ!!というものもあります。それが「搭載禁止物質」となります。
クレベリンの二酸化塩素はどうなってるの?
二酸化塩素のGHSは次の通り
これによると
4.可燃性物質
6.毒類
8.腐食性物質
に該当しているようです。
商品として販売しているため人への害としては4.6.8は当然適応されないはずです。(強調)
航空輸送に関してはどうやら、8.腐食性物質が特に航空では該当するようです。
予想ですが、可燃性と毒性に関しては機内の空気循環システムで問題ないのだろうと考えています。
しかしながら、プラスチックケースに入った二酸化塩素が気圧で破裂した際、金属でできた航空機に触れると腐食し機体に損傷を与える可能性があることが理由だと考えます。(もしくは容器に耐圧性がなく破裂による人体への影響があるからという観点もあるかもしれません。)
上記に関しては主観ですので、正解は分からずじまいではありますが、
結論としては
1.物質には国際ルール(GHS)で危険性が分類されている
2.GHSをもとに航空機に特化してDGMがある
3.DGMによって二酸化塩素が該当してしまっている
こういった理由からクレベリンが航空輸送禁止となってしまっています。
気持ちはわかるけど安全優先なの
コロナウイルスの感染が日本でも広がり始め、不安な気持ちにもなると思います。
ましてや密閉空間となる航空機では特にそういった空間除菌グッズを持ち込みたい気持ちもよく分かります。もしかしたら、せっかく買ったクレベリンを捨てる羽目になったり、係員とトラブルになったりした方もいるかもしれません。
今回の件に関してはクレベリン自体や誰が悪いというわけではなく、コロナウイルスで混乱が生じる中、飛行機の安全を守り悲惨な事故を起こさないためにも、飛行機を利用するすべての方にご理解を頂きたいです・・・。
航空機のエアコンには除菌フィルターが搭載されている他、到着時機内除菌を追加で行うなど各社感染拡大を第一に対策を行っています。では飛行機を飛ばすな!というのがごもっともではありますが、企業でありビジネスであること、現場での感染拡大防止に全力を尽くしていますので、ご理解頂きたいなというところです・・・・。
感染に関してはマスクよりも手指の消毒が効果的と聞いたことがありますので、くれぐれもご自愛ください。